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浮かない顔をしている星を見て、エミルが少し不安そうに尋ねた。
「……星ちゃん。私の選んだ服が気に入らなかった?」
その表情はどことなく悲しげに見える。
おそらく。エミルが期待していたような反応がなかったのが、彼女なりに相当堪えたのだろう。
そんなエミルの表情に気が付き、星は慌てて口を開く。
「いえ。凄く可愛い服で……わ、私なんかが着たらもったいないっていうか、その……」
表情を曇らせ口籠る。
エリエはそんな2人のやり取りを見て、黙っていられなかったのか横から口を挟んだ。
「エミル姉が星が着るのを考えながら選んで買ってきたんだから、もったいないなんて事ないでしょ? それに、前の地味な初期装備よりも全然女の子らしくていいと思うけどな~」
「……女の子らしい?」
星はエリエのその言葉を疑うように首を傾げている。
そんな彼女に、エリエは「うん!」と微笑みながら優しく星の頭を撫でた。
「星はせっかく可愛いんだから、もっと自分に自信持たないとだめだよ! いつもそうやってすぐ落ち込んじゃったら、せっかくの可愛い顔が台無しでしょ?」
「ごめんなさい。でも、そんな……かわいくなんて……そんなこと……」
「ほら、すぐまたそうやって謝る。まっ、すぐに直せっていうのも無理だし、ゆっくり慣れていけばいいよ。それより、どう? HPの方は増えてる?」
エリエにそう言われ、思い出したように星は視界に表示されている自分のHPバーを確認する。すると、今までHPの数値が15だったものが一気に1000にまで上がっていた。
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