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白刃取りしているマスターを睨み、メルディウスのその瞳は殺意に満ちていた。だが、マスターにはいわれのない彼の主張は、逆恨みもいいところだ。
「なにを言っておる! お前の言っている意味が儂にはさっぱり分からん!」
「……ああ、わかんねぇーだろうな! ベルセルク!!」
そう叫んだ直後、メルディウスの持っていた大剣の柄が上に跳ね上がり斧の状態へと入れ替わる。
マスターはそれを見極め、入れ替わった刃が体に当たるよりも早く手を放して、素早く後ろに跳んだ。
せっかく捕まえた相手を放すのは惜しいが。そうしなければ斧の刃の部分により、マスターの頭は真っ二つになっていただろう。
「――いい判断だ。だが……はあっ!!」
跳んだ直後。お返しとばかりに、マスターが右手を前に突き出すとその手から圧縮された黒い衝撃波が放たれた。
メルディウスは飛んでくる衝撃波を見据えると、ベルセルクを頭上に振り上げると。
「そんなもん喰らうかよ!!」
大きく叫ぶと斧が大剣へと戻り、自分に向かって飛んでくる衝撃波を真っ二つに切断した。
自分の放った衝撃波を両断され、それを見たマスターが感心したような声を漏らす。
「……ほう。やるな! 声も出さずに形態を変えられるのか!」
放った衝撃波を真っ二つに切り裂かれるのを見て笑みを浮かべるマスターを、メルディウスは鋭く睨みつけている。
余裕がありそうに笑みを浮かべているマスターの顔を見て、メルディウスが更に不機嫌になる。
「そうだ。そうやってお前は戦いを楽しむ……それが気にくわねぇーんだよ!!」
「男が戦いを楽しむのは自然の摂理! 所詮は獣の本能を捨て去る事など……誰にもできぬわ!!」
マスターの手に黒いオーラを纏い、今度はマスターが咆哮を上げながら高速でメルディウスに襲い掛かった。
――ドカーンッ!!
その凄まじい爆発音の直後。地面が大きく抉られ、その勢みでメルディウスはそのまま後方に吹き飛ばされる。
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