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エミル達もそういった情報を仕入れにいく為に、街に用事がある時はギルドホールに立ち寄っている。
今のところ確証のある情報は少ないものの。ゲームの中に閉じ込められた時より、確実にその数は減っているのも事実。
エリエのこの宿屋の者達を軽蔑する言動も、思い通りにいかない状況への苛立ちの現れでもあるのかもしれない。
「もう行こう! 星」
「……えっ? は、はい」
エリエに手を引かれ、強引にその場を離れる。憤っているエリエに、星はそれ以上は何も言えなかった。
2人は街の裏の方に入って行くと、そこにはピンクと紫色のネオンの看板が掲げられている怪しげなお店が一軒だけぽつんと佇んでいた。
「――エ、エリエさん……ここ怖いですよ。早く戻りましょう……」
星はエリエの後ろに隠れるようにしながら、不安そうな声で言った。
「大丈夫だよ。私は何回もここに来てるんだから」
「……えっ?」
(……何回もってどういうこと?)
微笑みながら自分を見るエリエを見上げ、星はそう思いながら首を傾げた。
エリエは一瞬の迷いもなく扉を開く、星は透かさずエリエの体の後ろに隠れた――。
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