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4人はエミルの部屋に集まり、神妙な面持ちでテーブルを囲んでいる。もちろん。星もその中に混じって話を聞くことになったのだが……。
「まず。俺が集めた情報によると、死亡したら復活できないというのは、結構確かな情報らしい……俺も聞いた話だから実際に目で見たわけじゃない。だから、断言はできないが、ログアウトできなくなった直後、パーティーを編成しての戦闘中に、死亡したプレイヤーがいた。その仲間の話によると、不思議な事に死亡したプレイヤーの名前が、パーティーのメンバー内から消えていたという話だ……おそらくは死亡したと同時に、ゲーム内からもそのプレイヤー情報も【Delete】されたと考えるのが普通だろうな……」
重苦しい雰囲気の中、深刻そうな表情で話をするデイビッド。
「ちょっと待って! それは少し性急過ぎる解釈だと思うわ。そのプレイヤーがただ死んでしまったのを申し訳ないと思って、パーティーから抜けただけという可能性も捨てきれなくないかしら?」
デイビッドの話を聞いてたエミルが透かさず、言葉を返した。
2人は真剣な面持ちで互いの目を見合うとしばらくして、きちんと椅子に座っていたデイビッドが脱力する。
その言葉に反論するわけでもなくデイビッドは「そうなんだよなぁー」と顎の下に手を当て一瞬考え込んだが。
「まあ、結局のところ。全て憶測でしかない。実際に目の前で誰かが死亡したわけじゃないし。俺も正しい事は分からないわけだしな。でも、だからといって事実を確認する方法がない以上はどうしようも――」
デイビッドが話をしている最中に、今まで黙っていたエリエが口を挟んだ。
「――だから、デビッド先輩が体を張ればいいってさっきから言ってるのに~」
笑いながら今の状況を楽観視しているエリエを、むっとした様子のエミルがたしなめる。
「こら! エリーもそんな簡単に判断していい事じゃないのくらい分かってるでしょ? そういう事は言うものじゃありません!」
エミルに叱られ、エリエはしょんぼりしながら「はーい」と返事をしてつまらなそうに口を尖らせている。
3人のやり取りを見ていた星が突然手を上げ、掻き消えそうな声で言った。
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