再会

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 それだけの規模のゲームだ。本来ならばセキュリティーは万全だったはずだが、このゲームをハッキングし。しかも、ほぼ全域がログアウト不能にできるほど資金力と人手があるのは個人の犯行とはとても思えない。  もし、この様な大規模なハックが可能となるならば、外部だけでは不可能だ――相当な数の内部協力者がいるといのは妥当な見立てだろう。  だが、それも運営は予測し、必ず解決策を用意しているはず。それに備えて一部の上層部しか知らない抜け穴があるとすれば、見つかり難い場所に隠されていると見るのが正しい。  真剣な面持ちのエミルが徐に口を開く。 「おそらく。これは推測だけど……運営の用意した脱出通路はなるべく人目に触れ難い。高難易度のダンジョンのどこかにあるはず……」 「フリーダムで最高難易度の、レジェンドクラスのダンジョンということか!?」  エミルのその話に、デイビッドは血相を変えながらそう大きな声で叫ぶ。  その言葉に神妙な面持ちでエミルは首を縦に振った。すると、途端にデイビッドが険しい表情へと変わった。  フリーダムではダンジョンがクラスごとに分類されており、それによって難易度もそれぞれ異なってくる。  一番低いクラスでビギナークラス――フリーダムでのパーティーメンバーの人数は最大で6人。このクラスは、1パーティーまたは高レベルプレイヤー2人で余裕でクリアできるレベルに設定されている。  二番目はアマチュアクラス――このクラスは基本Lv50以上が6人は必ず必要になる。  三番目がプロクラス―これは基本。上限のLv100が6人。即ちメンバー上限いっぱいでクリアできるように基本的には設定されている。  それ以上のクラスはMAX、マスター、レジェンドとあり。これらのクラスは連合パーティーでの参加が最低限のクリア条件となり、その規模もダンジョンにより様々だ。  今話しているレジェンドクラスは未だにクリアーした者がいないと言われるほどの高難易度のダンジョンで、Lv100でも装備次第では一撃で死亡するという噂もあるくらいだ――。
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