1人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
―こんな事になるなら、冷たくしなければ良かった―
全米が泣いた、感動のストーリー
お肌のハリ、ツヤＯＫ！ よーし、グロ子は元気な子！ ハリきってツヤやかに、バリバリ仕事するぞーっと言ってる間に解体だわ。緊張する。綺麗に捌いて！ 私の美しさ損ぬわぬようキレイに捌いてぇー！
そして見事に、私はマグロの柵になった。私は不安と希望を胸に抱き、長い旅路へと…えっ！？ 行かなの？ えーずいぶん近場で済ますのね。まぁいいわ。その分新鮮さを損なわないって事よね。
それから私は、とある古風な、いぶし銀の店主の居酒屋へと…たどり着いてないのね？ え？ 笑笑？ 庶民じゃん。グロ子もっと高級なお店が良かったな。だってよく言うでしょ、初デートの時は少し奮発してでもいいお店に行きなさいって。まぁいいわ。グロ子は庶民の味方。国民の味方！ 笑笑は低価格で笑顔をお届けする国民栄誉賞！ となるとグロ子は国宝！ 国宝よハァッハッハ、幸せ過ぎてコワイわぁ。
「イタイねー君。」
いきなり何？
「ごめんごめん。随分活きのいいマグロだなって。松方弘樹もビックリだ！」
褒めてんの？ けなしてんの？
「両方。」
え？ モヤ
最初のコメントを投稿しよう！