111人が本棚に入れています
本棚に追加
思い出を下さい
勢いでやってしまって後悔することって、あるだろ?
なんで言っちまったんだって、ほんのちょっと前の自分が理解不能なこと、あるよな?
今の俺が、まさにそれ。冷静沈着が売りのはずなのに、どういうことなんだ。
「……あの、それ本気ですか、鈴木先輩」
「うぅ」
口に出してしまった言葉を消したい。何もなかったことにしたい。頼むから三分ほど巻き戻ってくれないかな。もちろん、そんな方法はない。分かっている。鈴木は自分の失態を思い知って、強く強く後悔していた。
『冗談だって。あるわけないだろ。ちょっと笑わせようと思ってさ。残業も大変そうだし、和ませようかなって』……いや、和むわけがない。
最初のコメントを投稿しよう!