3月28日 木 17:3/5

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別にどうって事はなかった。ただただ、それだけが生き甲斐だった。 君の声に気付くまでは、この異変に気付くことなんてなかった。 ・ ・ とある夜、自身の住むアパートで殺人事件があった。 犯人は自首をしたらしい。 目的は「人を殺してみたかった」 なら、その犯人に是非とも尋ねてみたい。 感想はどうなのか、その時の興奮はあったのか。 大勢の人には解らない気持ちであるだろう。 しかし、ごく一部の人間には解ってしまう。 僕は、後者である。 殺人を犯したことはない。が、解ってしまうのだった。 何故か、は分からない。 取り調べを行う際、その時の犯人の心境、心情、表情が 鮮明に脳裏を過ぎる。 当然、それが役に立つことなどない。 毎日が地獄でしかなかった。 まるで自身が人を殺めてしまった気分でしかないからだ。 自首をしてしまいたいが、何もしていないのだった。 そんな日々を数十年、過ごしては今はもう30歳へ差し掛かろうと していた。 そんな頃、ある事件が起こった。
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