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僕が落ち込むと、橋本に当たる・・・。
家から少し離れたところで橋本が、風呂敷包みを持ってこちらに向かって歩いてきた。
「よお、透!今、おまえんちに大量に貰った饅頭をお裾分けしに行こうと来たんだけど会えてよかった。」
二カッと笑う橋本から無言で風呂敷包みを受け取る。そのときようやく橋本が僕の様子に気がついた。・・・言いたくないけれど。
「どうした、透?」
「・・・。」
「おい、透。話さないとわからないぞ?佳乃さんとけんかしたか?」
「・・・けんかでもなんでもできたらよかったのに。でも僕は佳乃さんから出る答えが怖くて逃げてしまった。」
両想いだったら好きだという気持ちを伝えるのはあまり難しくないと僕は思う。だけど好きな人にいい格好でいたい僕は少しでも嫌われるようなことはしたくないと思ってしまう。今は元婚約者が佳乃さんの近くにいるのだから。
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