佳乃さんの婚約者

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「宮原佐太郎・・・って今急成長の会社の社長じゃないか!」 なんか美形で秀才だと聞いたぞ!と、さらに付け加える橋本。今、僕は橋本の家にいるけれどせっかく入れてくれたお茶を飲まずに肩を落としていた。 「しかも幼馴染で相思相愛だったんだろ?」 「もう言わないでくれ!」 僕は八つ当たりだと分かっているけれど、橋本に貰った饅頭の一つを橋本に投げつける。けれどあっさり捕らえた橋本は食べてしまった。 「事実なんだから仕方ない。」 佐太郎と佳乃さんのような強い繋がりはたぶん僕たちはまだできていない。お互いをゆっくり知ってゆっくり歩んでる状態だ。どちらがいいかなんて考えなくても・・・。 「透はここにいていいのか?佳乃さんが佐太郎のほうに落ちてしまうことを恐れるならここにいてはだめなんじゃないか?」 僕ははっとした。どれだけ僕は馬鹿で臆病者なんだ! 「それに小さいときは知らなくても結婚してからのことを一番知ってるのは透だぞ。」
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