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「佳乃さんは僕と本当に結婚できてよかったですか?」
抱きしめながら聞く僕に佳乃さんも抱き返しながら、
「よかったですよ。」そう答えてくれた。
「僕はちゃんとあなたを幸せにできてますか?」
「はい、あの・・・。」
佳乃さんは突然僕の顔を両手でむぎゅうと挟み、少し怒った顔で、
「透さんは心配性です。心配していただけるのは嬉しいですが私の気持ちを信じてください!」
「・・・はい。」
僕は変顔になりながら返事すると、佳乃さんはようやく笑ってくれた。
「ずっと透さんの奥さんですよ!」
小指を差し出す佳乃さんに僕も反射的に彼女の小指に自分の小指を絡ませる。
「指切りげんまーーん・・・。」
元気よく朗らかに指切りげんまんする佳乃さん。僕こそ佳乃さんの夫にふさわしいように生きて行こう。そう、指切りをしながら心に誓った。
けれど、今後行われる茶会が嵐になることを今の僕たちは知らなかった。
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