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「国王、そのような趣味はそろそろお辞めになって、結婚の方を考えてはどうでしょうか」
「そのようなとは何だ?
結婚など、つまらない事を言うのはやめろ」
「ですが、沢山の国から、お写真が届いておりますが?」
ほら見ろ、と目の前にドン、と置かれたのはラウルスの目線より高く積み上げられた写真の山。多くの国の王女やら貴族の娘やらの写真である。
こんなに写真が届くのは当たり前だ。
若くして国王であることに加え獣王の血を引いていることにより身体つきは良く、筋肉質であるのにも関わらず、端整な顔立ち。
全てを持つ彼を自分のものにしたい。皆思うのは同じことであった。
しかし、ラウルスは気まぐれに選んで一夜を共にするのみ。
結婚など考えてもなかったし、それを考えるほどの相手にも出会うことがなかった。
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