6.獣王の陰謀

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それからヴェルは4度、ラウルスは3度果て、行為を終えた2人はベッドに身体を預けていた。 「ラウルス様……今日もとても良かったです……」 「俺もだ。少し休んでから身体を綺麗にしよう。  そうだ、何か飲むか?」 「あ、それじゃあ、」  そういってヴェルは部屋の向こう側を指さした。 「あの小さいドアを開けたら冷えたお水があると思います。  僕、今はまだ動けないから取ってもらえると嬉しいです。」 「もちろんだ」  そういってラウルスは不敵な笑みを浮かべた。  タオルを腰に巻き、ベッドから離れると、歩いている途中で服を拾い、ポケットを漁る。  ばれないように服の汚れを払う素振りをしてそのまま椅子に掛け、ヴェルの言った小さなクローゼットのドアを開けた。  するとそこはどうしてか周りが水の膜に覆われ、とても冷たい。そこに入っていたレモン水の入ったピッチャーとグラスを2つ取り出した。  ヴェルに背を向けられる位置にグラスを置き、水を注ぐと、右側のグラスに粉状の白い粉を入れた。それは入れた瞬間水に溶け、眼に見えなくなる。  多分大丈夫だ、ばれない。 「ラウルス様?」  ヴェルに呼ばれ隠しきれない笑みを浮かべたまま、「零すなよ」と右側のグラスを彼に渡した。
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