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第一章 消えゆく人々 ②
それは私が高校に入りたての頃。私は両親と学校に来ていた。ここは旧校舎の裏。私の前にいる三年生は大体二十人。そのリーダーらしき人が手を伸ばしてくる。
「やめろ!」
「なんだぁ?俺にそんな口聞いてもいいのか?」
「クッ…うるさい」
「お前ら!ふざけるなよ!」
鈍い音がなると同時に賢吾が後ろに吹っ飛ぶ。
「さぁ楽しもうぜ、お嬢さん」
「やめろ」
「恥ずかしくないの?」
「あ"ぁ"!?」
後ろの方から声が聞こえる。大人しそうな男子の声。なんだか落ち着きを感じさせる。
「あのね、女の子を押し倒すときは相手の了承も必要なんだよ」
「なめてんのかてめぇ?」
「うーん……まぁ僕じゃ君達には勝てないからね」
「から…なんだよ?!」
「俺らが来てやったってわけだ」
「て、てめぇらは!?」
「おい、ヒデ!そいつを連れて校舎内に逃げろ」
「言われなくても分かってる」
大人しそうな男の子は私に手を伸ばしてくる。
「ほら、ついてきて」
それから私達は走ったただひたすらに旧校舎の中を走り続けた。そしてついた場所が、二階の階段。
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