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「大丈夫?」
「う、うん」
男の子は階段にバリケードを作りながら私の心配をしてくれる。
「えっと…ありがとう」
「どういたしまして…」
「あの人たちは大丈夫なの?」
「あいつらなら大丈夫だよ…窓から見てみたら」
そこでは既に決着がついていた。気絶した約二十人の三年生と立ち尽くす一年生三人。この人たち…一体何者なの?
それから何事もなく家に帰ることができた。帰り道はその男の子が送ってくれたので心配することもなかった。
「それじゃあ僕はこれで」
「ちょっと待って!」
「……?」
「君の、名前を教えてくれ」
いつか恩返しするためにその名前を聞いておこう。
「僕の名前は東英之」
「今日はありがとう」
久しぶりだった。本心の笑顔を人に向けたのは。
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