隣には、いつも君がいた

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最初の出会いは、幼稚園。 仲良しグループから余ってしまった者同士。 ぎゅっと、握った小さな手の感触を覚えている。 小学校では、飼っていたウサギがいなくなったと泣き出して、二人で探したこともあった。 嫌いなニンジンをそっと食べる変わりに、ホウレン草をお皿に移したことも。 中学に入ると、少し距離が出来た。 クラスも部活も別々。 他に仲のいい友達も出来た。 あんなに一緒にいたのに、少し環境が変わるだけで、廊下ですれ違っても分からないくらいになった。 ケンカをした訳じゃないから、余計に元通りになるのは難しい。 卒業式の日、やっと少しぎこちなく会話することができた。 会話の内容よりも、会話できた嬉しさを今でも覚えている。 高校生活は、楽しかった。 何をしても楽しかった。 友達も増えた。 二人の時間も小学生の時みたいに充実していた。 当時は何だかんだ悩んだこともあったが、それでも毎日が楽しかった。 大学に入ると、一人暮らしを始めた。 二人でお互いの家具を見て、お揃いにしたものもあった。 テスト勉強や課題はメールしながら、励まし合った。 バイトを始めたら、お互いのバイト先に入り浸る毎日。 就職祝いは二人で少し高級なディナー。 シャンパンなんて初めて飲んだ。 ほろ酔いの頬の紅潮は、まだ覚えてるよ。 いつも二人で、ずっと二人でいると思ってた。 こんな日がくるとは思わなかった。 いつも隣にいてくれてありがとう。 今日はとてもキレイだよ。 結婚おめでとう。
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