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「慣れない仕事こなして、やっと最寄り駅に着いたら今度はこの坂道。もう引っ越そうかとも思ったんだけど」
いつのまにか、あたしたちは坂の途中で立ち止まっていた
「アパートに着くと、きみが笑って出迎えてくれるから、離れがたかった」
内側から燃えてしまいそうなぐらい、全身カーッと熱くなって変な汗がふき出してくる
「なんてね……勘違いだったかな?」
あたしは首をふるしかない
恥ずかしい
でも、気がついてもらえたことがうれしくもある
「いつも挨拶ありがとう。きみに会えた日は疲れが癒される気がして、うれしかった」
胸がいっぱいになり、言葉につまる
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