綺麗なお姉さん

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 「ガチャ」  「いってきます。」  「お~いっといで。」  「ガチャン」 僕の家から、春は花の香りが漂ういいにおいがする大きな桜の木が聳え、僕が立ち止まり少し時間(とき)をあげる場所だ。 桜の匂いを肺に目一杯ため込んでから学校に向かうことはや数年、僕は大学生になった。    幼稚園から高校までのいろいろな出来事のなかで僕の人格が作られていっただろうと今にして思う。    好きな子に告白もできず小学3年までは、モジモジするばかりでため息も長くついていた。 小4からは好きでもない子からアプローチの嵐で好きな子とは淡い恋・恋心だけが静かに消えていった。 確かに僕が悪い、逃げ回るばかりで自分の恋心(いし)はアプローチしてくる子に伝えなかった。 だからすれ違うあの子の目が冷めていたのもわかる。 片思いは、僕のハートがパリンとなって終わった。 小5小6は、異性に興味が無いわけじゃないが友達とつるむのが楽しい時期だった。 自作の基地が僕達のたまり場になるだろうとわかりきったが、あ~だこ~だと話した。  「山に行って基地でも作る?」  「おぉ~いいじゃん。」 始めは2人だった。 次第に・・・俺も俺もと気づけば僕をいれて5人に増えていた。
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