ねえ、俺のこと好きになってよ

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 それが数年前から――突然、私たちの関係は変わりだした。  まず最初は、遠矢君。高校に入ったのをきっかけに、晩ご飯を食べに来ることがなくなった。バイト先で食べたり、その辺のお店に一人で食べに行っているらしい。バイトのない日ぐらいうちに来ればいいのにと何回か声をかけたけれど「気が向いたらな」なんて言って、一度も来ることはなかった。 「遠矢君、今日もバイト?」 「ん? 今日は休みだよ」 「……西村先輩、まだ駅前のあそこで働いてんの?」 「悪いか?」 「別に……」  次に、巧。遠矢君のことを兄ちゃん、って呼んで慕っていたのに、いつの間にか「西村先輩」なんて他人行儀に呼ぶようになっていた。私のことはまだ「姉ちゃん」って呼んでくれているけれど、学校では「大野先輩」って呼ぶし……。夜も、お母さんが帰ってくるのを待つからなんて言ってうちに来る頻度も下がってしまった。 「そういえば、巧。また身長縮んだのか?」 「縮んでねーよ! 西村先輩が、でかいんだろ!」 「ああ、そうか。俺が伸びたからお前が縮んだように思ったのか」 「なっ……!」 「ちょっと……! 遠矢君、巧のことをいじめちゃダメだよ!」 「いじめられてねーよ!」     
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