きつねの手本

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きつねさんが伝える事 それは時に 『隠された意味』を通じ そこから『さりげなく気づかせる』という形で ひそかな手本を教える時もある きつねさんが『化かす』という事 それは単に 遊びやいたずら そういう理由でしているのだと 基本的に思うけど それだけじゃないと思うんだ きつねさんにつままれ 後でそれに気づいたなら ただそれに気づくだけでなく そうした体験をしたもとで もう一つ気づける事がある… きつねさんに化かされるのも きつねさんにつままれるのも そうした中で 他でもないもと 私達がひそかに 『気を抜いている』からなんだと… そして何より それを『自覚していない』のだと… きつねさんが化かすのは 私達がどこかで気づかないうちに 『気を抜いている』事に気づかせるためなんじゃないのかな きつねさんが化けていても しっぽまでは隠せずそれでバレるように 気を抜かないでいれば見抜ける事もあるんだから… そうした見抜ける中にいて それを見抜く事さえせず みすみすそれに流されて だいぶしてからようやく気づく そうした事は きつねさんにつままれる事よりも 『私達の身近な事』で常に起きている そして多くはそれに気づいていない むしろただ流されるまま 途中で気づく事もせず 化かされたまま つままれたまま されるがままで過ごしてる そうした中にいる事を きつねさんは化かす事を通して 私達に教えている そしてそうやって ただ化かしているだけでなく 私達を『試している』んだ きつねさんが持つ賢さを 私達だって持てるよう きっと気づくと信じてるもと きつねさんは伝えてるんだ きつねさんじゃなく それ以外の それ以上の存在によって 私達が化かされず つままれないように… 私達がする全ての経験 それが伝える全ての事 それを通して気付ける事 それは 化かされたと気づいた そして 化かされたと『気づけた』事を通し 私達に『大切な事』に気づかせてくれる それがきつねさんが示し 私達に伝えている 『化かす』という名の 私達に見せてくれる きつねさんの『手本』なんだ
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