第一章

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それは、よく店で見るようなものではなく、本当に豆スープ(ダル)(バード)しかなかった。 タルカリ(野菜などのおかず、カレー味が一般的) も漬物(アツァール) もなかった。 マヤはゼラにすすめると、老人にスプーンで(ネパールの貧困層にはめずらしい) ダルバードを一つの器に入れ、お粥の様にして食べさせる。 ゼラもスプーンを貰い、冷めてダルバードを食べながら、その様子を見ていた。 老人は、なんの反応もしなかった。 ただ、食べてはいたので、生きてはいるのだろう。 そしてゼラは、その夜、マヤの家に止めてもらう事にした。
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