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ゼラは、刀をくれた男が連れてきた日本人の事を思い出していた。
……あいつには、なにも言わずに出て行ってしまったけど。
先にいなくなったのはあいつだ……あいつが悪い……。
シャワーを浴び終わり、その日ゼラはすぐに眠った。
次の日――。
カジノへ向かったゼラは、それとなく聞き込みしていた。
「ちょっと聞きたいんだけど、この辺で急に羽振りがよくなった男っているか?」
「さぁねぇ。そんな景気のいい奴は俺の知り合いにはいないよ」
ゼラはそれとなく、地元民で裕福そうな者に訊いてみるが、なんの情報も得られなかった。
客は諦め、次にカジノディーラーにも訊いてみた。
「この辺で、急に羽振りがよくなった男っているか?」
「お姉さん……あんた警察かい?」
「ちがう、人を探しているんだ」
「羽振りがいい奴ねぇ。まぁ、しいて言えば――」
ゼラはそのカジノディーラーの話を聞いて、またタメル地区に向かっていった。
……タメルか。
また戻りだな。
ゼラはそう思いながらも、小腹が減ったので、近くにあったお店を見つけ、足を止める。
そして、サモサとマンゴースムージーを注文し、歩きながらそれらを飲み食いする。
ゼラは思う。
……歩きながら食事するなと、よくシノに言われたっけ。
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