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第三章
ゼラはあれからニルヴァーナ・ガーデンという安宿に泊まっていた。
果物売りの老婆から聞いた情報で、中心街にあるホテル内のカジノに足を運んでみた。
だが、7箇所はあると教えてもらったカジノは殆どが閉店しており、残ったところにも行ってみたが、探していた男はいなかった。
ゼラは思う。
……カトマンズにいるのは確かなんだけどな。
明日、もう一度カジノへ行って聞き込みでもしてみるか。
ゼラは部屋に着くなり裸になって、着ていた服を洗面所で洗い、部屋干しして、そのままシャワールームへ移動する。
「おっ! お湯が出るんだな」
ネパールの宿ではお湯が出ないところも多いので、ゼラは久しぶりの暖かいシャワーを堪能していた。
ゼラはシャワーを浴びながら、自分の体を見て思う。
……私の手足って、こんなにゴツかったか?
ゼラは自分の手を触り、太ももを掴んだ。
それは無駄な肉は一切なく、硬く引き締まっている。
……そのくせ胸と尻は大きすぎる。はっきりいって邪魔だな。
なんでこんな必要ないものが成長したのか……。
次にゼラは自分の胸と尻に触れ、大きなため息をついた。
……でも、あいつは褒めてくれたっけ……。
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