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気になったことが有るようで、タリエシンがアマリヤにこう訊ねた。
「アマリヤさんの櫛は、どこで手に入れた物なのですか?」
修道院に入っている修道士や修道士見習いは、個人的な買い物をすることが殆どない。なのに、アマリヤが櫛を持っているのが不思議だったのだ。アマリヤは懐かしそうな顔をしてこう答える。
「私がここに来るときにね、お母さんがくれたんだ。神様の元で暮らすのだから、髪の毛はいつもきれいにしてないといけないよって」
「そうなんですね」
髪を梳き終わりまた編む練習をする。何故だか、人々に祝福が有る様祈りたくなった。
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