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儀式の後、この日は授業がなく、夕食時まで自由に過ごして良いと言うことだったので、四人はエルカナの部屋に集まって話をして居た。
「そう言えば、修道士になってから、見習いの時と変わった事ってあるんですか?」
タリエシンがそう訊ねると、アマリヤがこう答えた。
「そうだな、他の教区の教会へのお遣いを任されるようになるとか、それくらい?」
続いて、エルカナが言葉を続ける。
「それと、見習いの頃と違って色々な責任を負わなくてはいけません。
困ったときは誰かの手を借りるのも勿論大切ですけれど、頼りっきりではいられなくなりますよ」
それを聞いて、マルコが眉尻を下げる。
「エルカナさんは、これから私が困るようなことがあったら、手助けをして下さいますか?」
もしかしたら、突き放されたように感じたのかも知れない。そう思ったエルカナはにこりと笑ってこう返す。
「そうですね、あなたひとりでなんとかしなくてはいけないような事は、手を出すことは出来ません。けれども、それ以外の、手を借りた方が良いことは、これからも私を頼って下さい」
それを聞いて、マルコは嬉しそうに笑う。タリエシンも似たようなことをアマリヤに訊き、アマリヤはもちろんなどと頼もしいことを言っている。
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