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その口を、突然激しいキスで塞がれた。
アオバは俺の肩を掴み、上から覆いかぶさってくる。
一瞬、無理やり犯されるんじゃないかという、恐怖に心臓が跳ねた。
反射的に、脚の間をぎゅっと閉じた。
しかしそこを乱暴にこじ開けられることは無かった。
アオバは俺の太ももの上にのしかかり、再び二人の熱を重ねて、両手で扱き上げた。
その動作の激しさと余裕の無さに、呻くように悶えながら、アオバの顔を見上げた。
俺に覆いかぶさってくるアオバの目は、まるで猛獣みたいな光を放っていた。
その目に射抜かれた瞬間、下半身に一気に快感が集まり、背中がぞくぞくと粟立ち、反り返った。
本当は、その熱くそそり立った凶暴な肉を、俺の中に突き刺したいと思っているに違いない。
アオバの目は、いつもの温厚な好青年のそれではなかった。濃厚な雄の本能を宿した、獣の目だ。
俺だって雄だ。だけど俺は猛獣にはなれないんだと、直感で理解した。
怖かった。
俺は牙を立てられる側なんだ。ねじ伏せられて、服従させられる側なんだ。食い殺されるんだ。そう思った。
そしたらどういうわけか、俺はとんでもなく――感じていた。
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