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そこからは、無我夢中の取っ組み合いが続いた。
胸ぐらを掴み合ってみたり、ベッドの上に放り投げたり、投げられたり。
歳の近い男同士のダメなところなんだろうか。遠慮や手加減を忘れるというか、ヒートアップし始めると、歯止めが効かなくなる。
それでもグーで殴り合わないあたりは、社会人としての良識と、お互いのささやかな思いやりだろうか。
「……クソッ! そりゃ挿れたくて、ウズウズしてるに決まってんだろ!」
オレは怒鳴りつけながら、てっちゃんの胸ぐらを両手で掴んだ。
「野郎、認めたな!」
てっちゃんもオレの胸ぐらを掴んで、額と額をゴツンと突き合わせて怒鳴り返す。
「触るだけでも十分幸せだって言ってたじゃねえか! やっぱり全部嘘だったんだな?! 最初から俺のケツだけが目当てだったんだな! 格好つけやがって!」
「嘘じゃない! てっちゃんのことを大事にしたいって意味じゃないか! なんでそんな、変な風に捉えるんだよッ!」
「やりたいならやれよ! お前のしたいようにすりゃいいだろ、この助平ッ!」
「なんだと、このッ……馬鹿!」
「阿呆!」
じりじりと睨み合い、歯を食いしばる。
胸ぐらを掴み合ったまま、てっちゃんをベッドに押し倒して、頭を押さえつけた。
そして噛み付くようにキスをする。
てっちゃんは激しく抵抗してもがいたけど、オレはその体を離さなかった。
ぷはっと唇を離して、息継ぎをした。
「てっちゃん、オレはね……!」
悔しそうに見上げてくるてっちゃんを睨みつけて、オレは言い放った。
「オレはてっちゃんが『挿れて欲しい』って言うまで、てっちゃんのケツは掘らないって決めてんだよ!」
目を見開いて、てっちゃんの動きが固まる。
「そりゃ抱きたいよ? めちゃくちゃにしてやりてえよ、このエロいケツをよお!」
勢い任せに、てっちゃんの横尻を引っ叩いて、鷲掴みにした。
てっちゃんがビクリと震える。
「だけど、オレの気持ちばっかり押し付けてたってしょうがないだろ! 人間関係ってそういうモンじゃないだろ! 恋愛ってそういうモンじゃないだろ! ええッ?!」
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