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ぺたぺたとスリッパを引きずって、旅館の大浴場に向かった。
更衣室に入ると、棚にずらりとならんだ籠が、いくつか埋まっているのが見える。朝風呂を楽しんでいる客は、他にもいるらしい。
俺は帯をといて、しわしわになった浴衣を脱いだ。
ボクサーパンツを脱ごうとしたら、ごわついた感触があった。
昨晩の行為の後の、後始末の仕方が雑すぎたらしい。ティッシュで拭き残した精液が、陰毛にからんでガビガビに乾いていた。
俺の腹や太ももに射精した時の、アオバの表情や声、汗に濡れた肌や、ぬめぬめと絡み合った舌の感触がフラッシュバックする。
――ああ、やっぱり夢じゃなかったんだ。
自分の股間を見下ろしながら、ぼんやりと思った。
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