第七話:タンデムシート【side Tetsu】

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 ぺたぺたとスリッパを引きずって、旅館の大浴場に向かった。  更衣室に入ると、棚にずらりとならんだ籠が、いくつか埋まっているのが見える。朝風呂を楽しんでいる客は、他にもいるらしい。  俺は帯をといて、しわしわになった浴衣を脱いだ。  ボクサーパンツを脱ごうとしたら、ごわついた感触があった。  昨晩の行為の後の、後始末の仕方が雑すぎたらしい。ティッシュで拭き残した精液が、陰毛にからんでガビガビに乾いていた。  俺の腹や太ももに射精した時の、アオバの表情や声、汗に濡れた肌や、ぬめぬめと絡み合った舌の感触がフラッシュバックする。  ――ああ、やっぱり夢じゃなかったんだ。  自分の股間を見下ろしながら、ぼんやりと思った。
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