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テレビ画面の中では、巨大な森の精霊がデカい口を開けて、グオアーなんて言いながらコマに乗って空を飛んでいた。
その前で、オレたちはなんてことをしてるんだろう。
てっちゃんの背をソファに沈めて、貪るようにキスをした。
濡れた唇で首筋や鎖骨をなぞっていく。深く息をつくように、胸板がゆっくりと上下している。その上に、小さくて色の薄い乳首があった。
男前なルックスに比べて幼く控えめな、ギャップがそそるその突起を、舌先でつついた。てっちゃんはピクンと小さく震えて、また深呼吸を繰り返した。
唇で優しく吸って、舌で転がすと硬く尖りだす。その下の方で、さらに硬くなっているものにも右手を伸ばす。
「ほんっと……舐めるの好きだな、お前……」
てっちゃんの呆れるような、上擦った声が聞こえた。
オレは顔を上げて、鼻息荒く挑発的に笑った。
「オレはてっちゃんの、もっと恥ずかしいところだって舐められるよ。例えばこことか――」
握る右手にぐっと力を入れ、それからソファと尻の間に手を滑らせて、尻の肉を掴んだ。
「――こことかさ」
「……」
てっちゃんは一瞬、驚いたような、怯えたような目でオレを見つめた。
その目を見ると、オレは高揚感でぞくぞくしてくるんだ。
見下ろして、射抜くように見つめ返すと、てっちゃんは顔を横に逸らし、眉間にしわを寄せた。その目はテレビの方に向いていたけど、視線はぼんやりと空中に漂っている感じだ。
「……舐めたい?」
てっちゃんはぽつりと言って、視線をオレの方に向けた。
「い、いいの?」
挑発しておいてなんだけど、オレはその意外な言葉に驚いて、不安を覚えていた。
てっちゃんは、ゆっくりと頷く。
そんな免許証の証明写真みたいな顔で頷かれたって――本当にしてもいいんだろうか。
期待や興奮や緊張感や、色々な感情が入り混じって、こめかみの血管がドクドクと脈動する。
ごくりと唾を飲み込むと、てっちゃんの喉仏も同じようにごくりと上下した。不安はあったけど、それを合図に、二人共体勢を整え直した。
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