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「ただ…?」
僕はやや不満に思いながら、焼け落ちてしまった自分の家を眺めた。騎士たちは落ち着きなく頷きながら言った。
「もちろん、家は弁償します。金貨…10枚でいかがでしょう?」
『うーん…』
そう難色を示すと、別の騎士が「12枚!」と叫んだ。
『いいでしょう』
騎士たちは金貨を出し合うと、僕の手にきちんと12枚の金貨を置いた。
『では皆さん…今後ともよしなに…』
そうお辞儀をすると、隊長は苦々しい顔のまま目を背けた。
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