越冬

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越冬

 10月も下旬に差し掛かると、この地方にも雪が舞い降りるようになった。木々の紅葉も進み、風が吹くと雪にまみれた落ち葉が次々と地面に落ちた。  ボス狼は複数の子分を引き連れて獣道を進んでいくが、ぼろ屋も立て札もない。  子分たちはボスを眺めた。ボス狼は鼻をヒクヒクと動かすと、すぐに森の奥に目を向けた。  実は、少し前に引っ越しをすることとなった。僕の家は120メートルほど山側に移っている。こうすることで、河川が凍った時でも衣服を洗濯する水を確保でき、崖も側にあるので、天使2人組もすぐ飛び立てる。グリフォンの統領もいい場所を教えてくれた。 『まあ、欠点は…村への買い出しが面倒になるってことくらいかな』 「村の現状では、来年農業をすることも難しいのでは?」 『来年からは、自分で作るしかないか…』  ジャガイモを干し終えると、おが屑に包んで木箱の中へと入れた。これを日の当たらない風通しのいい場所に保管しておけば、2月くらいまで発芽しないでくれるかもしれない。まあ、発芽してしまったものは、来年の種イモとして利用させてもらおう。     
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