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 翌日、充は強い決心を胸に学校へ行った。  朝のホームルームで先生が出席をとっていく。光平のところで、先生は4日目の欠席を確認した。  やっぱりまだダメか。  昨日の様子だともしかして今日は来れるかと思ってもいた充であったが、焦らせたくもなかったのでソレについては昨日聞いていなかった。  一人だとしても、やろうと決めていた。  充は教室の真ん中、自分の席をガタッと立ち上がった。  突然の充の動きに皆が呆気にとられている中、充は口を開いた。  「俺は、幽霊が怖いです」  何を言い出したのか皆がわからないまま、尚も充は続ける。  「幽霊なんか全然怖くねーよって話してたけど、本当はめちゃくちゃ怖いんだ」  クラスがくすくすと笑い声を立て始める。  「あと、お母さんに宿題やったって嘘ついたこともあるし、夕飯に出てきたシイタケを食べたふりして捨てたこともあります。あと、それと・・・」  充は両の手に力を込めた。  「お父さんが死んじゃって、泣いてないって言ってたけど、嘘ついてた。本当はすごく泣いた。男なのに、悲しくて悲しくて、わんわん泣いた」  充の真剣な様子にいつの間にか笑い声は止んでいた。     
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