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 「あ、俺も見た」、「うそ!」などという声が飛び交う中、光平は何も言わず、その手は小刻みに震えていた。それは、傍から見ると犯人と思われても仕方のない様子でもあったが、充はそれが別の理由から来てることを知っていた。  「やめろよ。光平は犯人じゃないよ」  「なんで充が知ってるんだよ。それに見ろよ、犯人じゃないならなんであんなに震えてるんだよ」  「それは―――」  説明しようとして、充は昨日の約束を思い出し言葉に詰まる。  「なんだよ。ほら、やっぱり犯人なんだよ」  「ちがう!」  二人の間に先生が「もうやめなさい」と入ってきた。  「黒井、どうなんだ?何か知っていることがあるなら言ってくれないか?」  「・・・わかりません」  「わからない?」  「僕が犯人なのかどうかわかりません」  教室が再びざわめきだす。  なんだよそれー!わかんないわけないじゃん!絶対犯人だよ!  「黒井、大丈夫か?」  先生が問いかける。見ると、光平の顔は色を失い息は荒く今にも倒れてしまいそうだった。  光平は先生に連れられて保健室に行くと、その日学校を早退した。  クラスでは光平が犯人であることが決めつけられてしまい、そして、次の日から光平は学校を休むようになった。
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