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「でも、そしたらやっぱり花瓶を割った奴はあのクラスにいるんだな。くそっ、そいつ光平のせいになって今頃ホッとしてるんだろうな」
「ホッとしてるならまだいいけど・・・」
「え?」
「あの時―――誰かの気持ちが入ってきた時、すごく怖かったんだ。怖くて怖くて震えが止まらなかった。僕が疑われだしたら、ホッとするどころかもっと怖くなった。それは、自分の気持ちだったのかもしれないんだけど・・・でも、もし、あんな気持ちが続いてるなら」
助けてあげたい。
光平はそう言った。
自分のせいにしている誰かに対して。怒るのではなく手を差し伸べようとしている。それは充をひどく驚かせた。きっと自分だったらそんなこと思えない。
「光平はアレだ。おひとよしだ」
充は最近覚えた言葉を口にする。たしか、こういう時に使うので合ってるはずだ。
「そうなのかな」
でも、そんな光平のことを充は好きだと思った。だから、光平が助けようとするなら、自分も力になりたかった。
「・・・でも、助けるってどうしたらいいんだ?」
答えが見えず、二人が頭を悩ませていると、
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