1人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
ブライアン・ケントは、トーマスの店を訪れていた。トーマスから詳しい話を聞くためである。
「それで、その二人はミルドレット捜査官と相棒に間違いないんだな?」ケントは念を押した。
「ああ、間違いない。ハーベック会長から渡された写真で確認している。二人は今、リバーサイドホテルにいるはずだ」
「どうしてそれがわかるんだ」
「あの二人に渡したキーホルダーに発信装置がついている。どこにいたってわかるさ」
「そうか、わかった。ご苦労さん」
「ところで、あんた今、ミルドレット捜査官って言わなかったか」
「ああ、そう言ったが」
「呼び捨てにしないのか」
「どういうことだ」
トーマスはため息をついて言った。「いいか、あんたは今、ハーベック会長の下で働いているんだろう。会長からすれば、ミルドレットは憎くてしかたがない相手だ。ここではいいが、会長の前で呼び捨てにしなかったら、あんたが何を言われるかわからないぜ」
「ああ、そ、そうだな。忠告ありがとう」ケントは礼を言って店を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!