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夕食を終えたレイとミオが部屋に戻ろうとしていた時だった。
「あ、あいつ」レイが言った。
「あの子、ひょっとして……」
「ああ、さっき私のお尻をさわっていったガキだよ」
「ガキなんて言い方、よしなさいよ」
「そんなことより、一言文句言ってやらないと……」
レイが男の子に近づこうとした時だった。レイとミオの部屋の隣の部屋から、母親らしい女性が出てきた。
「ちょっと、レイ。お母さんがいるのよ。やめときなさい」
「ふん。後で思い切り、文句言ってやる」
レイとミオが部屋に入ろうとした時、母親が声をかけてきた。「あら、今日は。旅行ですか」
「ええ、まあそんなところです」ミオが答えた。レイは男の子をにらみながら母親に会釈した。
「ほら、マイケル。ちゃんとあいさつしなさい」マイケルと呼ばれた男の子は、母親に言われて二人に「今日は」と言った。
「まあ、マイケル君って言うの。きちんとあいさつできるのね。えらいわね」ミオはマイケルに言った。レイはマイケルのほうを見ようとしない。
「それじゃあ」ミオはそう言って、レイの体を押しながら部屋の中に入った。
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