第三章

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 夕食を終えたレイとミオが部屋に戻ろうとしていた時だった。  「あ、あいつ」レイが言った。  「あの子、ひょっとして……」  「ああ、さっき私のお尻をさわっていったガキだよ」  「ガキなんて言い方、よしなさいよ」  「そんなことより、一言文句言ってやらないと……」  レイが男の子に近づこうとした時だった。レイとミオの部屋の隣の部屋から、母親らしい女性が出てきた。  「ちょっと、レイ。お母さんがいるのよ。やめときなさい」  「ふん。後で思い切り、文句言ってやる」  レイとミオが部屋に入ろうとした時、母親が声をかけてきた。「あら、今日は。旅行ですか」  「ええ、まあそんなところです」ミオが答えた。レイは男の子をにらみながら母親に会釈した。  「ほら、マイケル。ちゃんとあいさつしなさい」マイケルと呼ばれた男の子は、母親に言われて二人に「今日は」と言った。  「まあ、マイケル君って言うの。きちんとあいさつできるのね。えらいわね」ミオはマイケルに言った。レイはマイケルのほうを見ようとしない。  「それじゃあ」ミオはそう言って、レイの体を押しながら部屋の中に入った。
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