俺 is burning!

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友達のプッシーCatを名乗るアヤのバンドDICK LICKERSが出るライブへ向かう。 アイツは定期的にこのハコでやっている。 そして、全国的に活動をしているインディーズバンドだ。 俺はギター弾きだ。 だが、今は自分のバンドを持っていないどころか、仕事もまともにしてない。 親のスネかじりという訳だ。 俺のステージは専ら公園のベンチだった。 アヤとこんなに差がついたのは、バンドをやってた頃あいつが言うにはギターは上手いのに歌が下手なくせに、歌いたがるからだと言われた。 ブランキーの浅井さんに憧れて、スリーピースバンドに拘りすぎたのか。 いや、ギターに専念したって一緒だったさ、じゃなかったら親のスネなんかかじって、フラフラなんてしてないだろ。 結局面倒なことから逃げてるだけなんだろうな。 秋も終わろうとしているってのに、気温が高く、昨日から降り続く雨のせいで、俺のショットのワンスターの中はジメジメして、俺の劣等感をより一層湿っぽくする。 ライブ見ながら酒でも呑んで、スッキリするか。
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