第1章 氷に包まれた王国

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冬の寒さが厳しい大国が太古の世界から存在していた。 その国の名はオーサムイ国。 雪が降り続け、大地が凍りつき。 しかしながらそんなこの寒い国にも雪どけの時期が 存在していた。そう・・ほんの数日前までは。 オーサムイ国は由緒ある武で発展した国で数々の名戦士が誕生した。 その中でも大斧を勇ましくかつぎ現在の凶悪な魔王リクオウの父ウミオウに向かって伝説の勇者アッシー、勇者ターシー、魔法使いガンジョとともに戦った大戦士タノはオーサムイ城の城内の大広間に大きな額に入れられて飾られている。数々の若者たちが彼に憧れて戦士を目指した。 そんな戦士が集まった難攻不落のオーサムイ国を 見た目はかなり華奢なヤサ男がモンスターの大群をひきつれて瞬く間に攻め滅ぼしたのだ。 そのヤサ男は人間ではなかった。 魔王リクオウ親衛隊の一人、美を愛するカイチョウ  であった。 彼は魔王軍の中で頭が飛びぬけてよく魔王軍の大幹部である右大臣、左大臣も一目置くくらいであった。 さらに優しい顔とはうらはらにこのうえなく残虐を好むので彼に逆らうモンスターはことごとく抹殺されてしまう。 そんな彼が恐怖でまとめあげたモンスターの大群は 氷や雪を巧みに操るモンスターばかりで作り上げられていたので魔法氷結軍とも呼ばれていた。 その数ざっと50000匹以上。 カイチョウの号令ひとつで12万人はいるオーサムイ国を攻め落とすことなど容易いことであった。 「ふふふ、私の国だよ。心地よい極寒の土地こそクールな私にふさわしいのだ。美しいではないか。 この私と同じで凍り付いた街がきらきらと輝いていて。」
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