第1章 氷に包まれた王国

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じゃあ!」 元気よくツオイがどこかに向かって魔法弾を右拳から放つ。 魔法力を一点に集中して放つ魔法弾は魔法戦士の技だ。 ツオイはガンジョ老師に隠れて行なっていた修行の中で既にこのような技を体得していた。 さすがはリクオウを一度瀕死にまで追い込んだ勇者ターシーの弟子である。 「相変わらず、驚かせるやつだなー。」 そんなツオイを見てあっけにとられるチセイであった。 さらに驚くことに上空から何かが降ってきたのである。 「敵か!」チセイはすばやく魔法の構えをとった。 「チセイ先輩、敵じゃありません、毛皮ですよ。2人分の」と 少しだらけた感じで話すツオイであった。 ”どさっ”ツオイがそう言うやいなやもう一つ何かが上空より 落ちてきた。 「へへへ、トサカグースの毛皮ってかなりあったかそうですよ。」 ツオイが突然放った魔法弾ははるか上空にいたトサカグース達に命中していたのだ。 「ますます驚かされちゃうねぇ、ツオイには。」 これにはチセイもツオイに対してあっぱれという感じであった。
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