Graduation

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 私の言葉に、彼はニンマリと笑う。 「ああ、あれ? あれはウソ。卒業式の日に歌を歌うなんて、本当はどうでもよかったんだ」 「えっ!? えっ!? ど、どういうこと?」  私はあまりの驚きに、吃りながら尋ねる。 「まあ、そもそもギターを始めたのだって三ヶ月前だし」 「でも、三年間心に決めてきたって」 「本当に心に決めてきたのは、もっと別のこと」 「えっ!? でも、もうみんなの帰っちゃったよ? それって、一人でできることなの? もし誰かに告白するとかだったら、早く追いかけないと間に合わなくなっちゃうよ」  言いながら、私は急激に悲しくなってゆく。ここで、必死に彼と仲良くなったところで、私が彼の恋人になることはない。きっと、傍から見れば悪あがきをしているようにしか見えないだろう。これまではずっと、ただ仲良くなれればいいと自分に言い聞かせてきた。だけど、私はやっぱり彼が好きだ。たた仲良くなれるだけじゃ、我慢できそうもない。     
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