Graduation

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 やがて、卒業式が終わり、みんな教室へと戻っていく。教壇に担任の先生が立ち、最後のホームルームが始まる。まず、担任の先生が私たちに(はなむけ)の言葉をかけてくれる。それから、一人一人順番に立って、一言ずつ喋ってゆく。  やがて、私の順番がやってきたので立ち上がる。 「私はこの高校で学んだことを活かして、これからもしっかり頑張っていきたいです」  自分で言いながら、つくづく地味だなと感じる。周りのクラスメイトは、気の利いた言葉の一つでも混じえているというのに。だけど、これが私なのだから仕方がない。結局、こんな私だから、彼と近づくこともできなかった。何だかわからず、涙が込み上げそうになる。  やがて、彼の順番になる。彼はゆっくりと立ち上がり、一礼してから口を開く。 「楽しい三年間でした。本当にあっという間で、明日からこの教室に来て皆と顔を合わせることがなくなるなんて、まだ信じられません。俺は東京の大学に行くので、なかなか会えなくなりますが、夏休みとかは帰ってくるので、また皆で集まりましょう」  彼の言葉に、教室中から拍手が湧く。誰もが彼の言葉はそれで終わりだと思った。だけど、彼は座らずに、拍手が鳴り止むのを待ち、それからもう一度口を開く。 「俺は三年間、心に決めてきたことがあります。今日は、必ずそれを実現してみせます」     
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