Graduation

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 彼の言葉に、「もしかして告白とか?」などとクラスメイトが揶揄(からか)う。だけど、彼はそういう野次には耳を貸さず、黙って腰を下ろした。  私も彼の意味深な言葉は気になった。だけど、おそらく彼が誰かに告白するようなことはないと思う。彼なら自分から告白なんかしなくても、きっと相手から告白される。万が一、彼が告白するのだとしても、その相手が私であることはありえない。そう思うと、何となく虚しい気分になってくる。  彼の後も、クラスメイトの挨拶は続いた。そして、ようやく最後の一人が終わると、担任の先生が最後の挨拶をして、ホームルームが終わった。これで、本当に私の三年間は終わりだ。  ホームルームが終わっても、誰も教室を出ていかない。皆、写真を撮ったり、アルバムにメッセージを書き込んだりと大忙しだ。彼の周りにも女子が集まって、写真やらメッセージやらを求めている。そんな中で、彼が突然立ち上がった。 「これから歌を歌いたい!!」  彼の突然の宣言に、教室中が静まり返る。彼は教室中を見回してから、 「ちょっと待ってて」  と言い残し、教室を出ていく。何が起こったのかと、みんな呆気に取られる。やがて、教室の中がざわめき始める。そんなところに、彼がアコースティックギターを持って再登場した。     
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