Graduation

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Graduation

 彼と離れ離れになってしまうと思うと、胸が押しつぶされそうになる。高校三年間、ずっと同じクラスだった如月(きさらぎ)玲斗(れいと)。背が高く、顔立ちが整っていて、成績優秀、スポーツ万能と、ある意味で完璧な存在の彼は、ずっと私の憧れだった。初めて彼にあった瞬間に恋に落ちて、これまでずっと想いを胸の奥に秘めてきた。  そんな完璧な彼だから、何もしなくても周りに女子生徒が集まる。バレンタインデーには、机がチョコレートで埋め尽くされる。当然のことながら、恋人の存在も噂されていたが、彼は一貫してそれを否定していた。だけど、その真偽のほどは誰も知らない。私はずっと、恋人などいないという彼の言葉を信じてきた。いや、そう信じていたかった。なぜなら、私はそんな彼を遠くから見ていることしかできなかったから。     
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