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「お前にこいつの世話を任せよう! 名はピースジュニアだ!」
「あの、とてもピース様になついている様ですが、モンスターですよね?」
やだ、やだ、いやな臭いがする! きらい! きらい! きらい! やだ~!!
「そうとも言うな! ……おまえもしかして調合でもしてたか?」
やっと臭い人間から離れられた。うう、鼻が痛い。
ぐしぐし、血と汗と焦げた臭いのする布に顔を擦り付けた。こっちの方が、よっぽどましだ!
「はい。……あ、それで私から逃げようとしてたんですね。」
来るな~!! あっちいけー!!
ボッ! と音を立ててぼくの口から炎が出た。顔の回りが急に熱くなって、ぼく自身も驚いた。
「ジュニアは火族か? 見た目や体温は水族か金族にも見えるが?」
「水族って……ただ小さいから言ってるだろ。でも、確かにこの子は火を吹くにしては体温が低かったな。興味深い。」
「やったな、ジュニア! お前の世話はアンネイがしてくれるぞ!」
「なんだと! お前が拾ったんだ! 責任はお前が取るべきだ!」
「とるとる! 世話は任せた!」
「おまえなあ!!」
ぼくはなんだな目が回ってきた。ぼくを抱えた人間が、あっちにビュンこっちにビュンって振り回すんだもん。やっと落ち着いたとき、ぼくは何かの声を聞いた。“お願い”って聞こえた。
ぼく、行かなきゃ
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