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夢に絡まる蜂蜜
「僕が居なくなってもすばるは忘れないでね。」
眉を下げて幼子である自分の手を握る可愛らしい子供、双眸は水膜を張り濡れた頬を子供特有の柔らかい指で拭ってやる、するとまた顔を顰めて抱き着いてくるこの少年は、この子は誰だっただろうか。
「絶対忘れないよ、大丈夫。」
きっと此の時の自分は本当にそう思っていたのだろう、口約束だけで済まさず忘れまいと幼く暖かい彼の体温を身体に刻もうと思っただろう。
「嘘吐き。」
嗚呼、ごめん。
ごめんね、 ×× 。
君の顔も、愛しい名前さえも忘れて
俺はどう、罪を償うべきなのだろうか。
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