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私のしあわせは、着信音と一緒に消えてしまった。
あなたは少し眠そうに体を離して、携帯に手を伸ばすの。
どうしたのって、普段なら聞かないこと、聞いていしまった。
きっとそれだけ、しあわせを感じてたから、舞い上がってたの。
すぐに後悔したわ。聞かなきゃよかったって。
あなたは煩わしそうに答える。それ、結構傷つくのよ。
用できた、帰るわ。それ、本当に傷つくのよ。
でもね、笑うしかないじゃない。
物わかりのいいふりしちゃって。お礼まで言っちゃって。
またね、なんて本当は言いたくないのよ。
服を着たあなたが、急に他人に見えるから、俯いた。怖かった。
さっきまで、私のしあわせだったのに。もう、触れられない。
ずっと繰り返してる。
もう終わりにしようって、他にいい人を見つけようって。
彼女と別れる気ないんでしょって、今までのこと責めて、
彼女になれないならもう会わないって、はっきり言ってやりたいの。
なのに全然できないのよ。
呆れるくらい、あなたが好き。
だからね、今はね、少しだけ馬鹿な女を演じてあげるの。
もう少しだけ、騙されててね。
それがきっとしあわせでしょ?
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