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「わたしたちはあの日、かけがえのない半身を失った。だからこそ知り得たのよ。この世の秘密を。すべてはふたつにしてひとつであり、不可分でありながらも分かち合えるのだということを」  おばあさまはご自身を指して『わたしたち』とおっしゃる。『わたし』ではない。大いなる知恵と呼ばれたおばあさまは、ひとりでなんでも魔法のようになさってしまう。わたしの手伝いなんていらないんじゃないか、そう思えるほどに。 「そんなことないわ。たとえばこのアルバム。わたしたちはうまくめくれない。あなたの力がどうしても必要なの」  どうして? ページをめくるだけではありませんの? そう尋ねると、おばあさまは少し困った顔をなさる。なんだか哀しそうな目で。 「わたしたちだけでは、とても眺めることができないの。だからわたしたちのそばにいて、いっしょに見て頂戴。なぜって? それはね。このアルバムには、会えなくなったたくさんのともだちで溢れているから」     
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