一章

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黙って抱かれていたが、よく考えると家族に見られる可能性がある。華生は赤面した。 「に、兄様! 自分で歩けます!」 「歩かんでいい」 一彬は彼女に構わず風呂場に連れて行き、浴槽に座らせた。 「これを脱げ」 一彬が華生のストッキングを引っ張る。洗ってくれるらしい。「自分でやるからいいです」と言おうかと思ったが、多分聞きやしないだろう。華生は言う通りに腰を浮かせてストッキングを太ももまで下げる。一彬はそれを華生の脚から抜き取ると、ゴミ箱に捨ててしまった。破れているからどうせ使えないのだが。 「染みるぞ」 一彬がシャワーヘッドを掴み華生の足に当てる。勢いを最大にしている為、容赦なく彼女の足は水圧による打撃を受ける。 「っ……!」 華生が呻くと、一彬は少し彼女の足を撫でた。 「ほぼ裸足で外を歩いているからな。菌が入っているだろう」 一彬は満遍なく華生の足にシャワーを当てた後、タオルで丁寧に拭いてやり、もう一度彼女を抱える。
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