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「おい、華生! 何をする気だ?」
当の華生は「え?」と首を傾げる。
「……」
彼女は返事をする代わりに、彼の下肢を器用に転がして、躊躇なく舌を這わせ始めた。一彬は、茫然として自分のそれが弄ばれる様子を凝視する。
どうやって、覚えたんだ?
淑女になるよう、育てた筈だった。こんな行為は頼んでもやってくれるかどうかわからないくらい、慎ましく恥らいを持つような初心な女に。
「……あ……」
一彬は、思わず漏れた声が自分のものだと気付き口を噤む。
巧すぎる。それを生業にしている女と同等か、それ以上に。
「……っっ!」
下腹部からの高揚感で一瞬記憶を飛ばし、慌てて一彬は華生の顔を押し退ける。そして荒い息を整えながら、狐につままれたような彼女の口内を疲弊させる勢いでいじりまわす。
「ん……んっ、んー!」
彼女の舌がぐったりしたのを見計らって唇を離し、諭してやった。
「……そういうのは頼むまでしなくていい」
彼はコンドームを着けると一気に華生の中まで沈む。
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