帰って来た!乙ゲー男子たち

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帰って来た!乙ゲー男子たち

「…い、おい」 乱暴に体を揺すられる感覚に、うっすらと目を開ける。ねぼけまなこで視界がぼやけるけれど、男の人の顔が見えた。赤い髪と金の瞳のわりかし整った―…。 「……おう?」 ここでようやくはっきり見えた。赤い髪で金の瞳、の、わりかし整ったぽっちゃり男性が、息を切らせながら私の肩をゆすっている。ゆする動きと共にたぷたぷとあご肉も揺れている。 「う、わあっ!何?!だだ誰だれ」 ばっと飛び起きて後ろに飛びすさると、男は不敵な笑みを浮かべ、なおもこちらににじり寄ってきた。彼は妙に出来のいいコスプレみたいな格好をしている。どこかの王子みたいなきらびやかな装飾が、動くたびしゃらしゃらと音を立てて揺れた。 「来ないで!ど、泥棒?!なんで私の部屋に」 パニックになる頭を何とか抑えて、記憶を整理する。 確か婚活から帰ってきて、ベッドでゲームしてたらうつらうつらして、そのまま寝てしまった。そこまでは覚えている。けれど辺りを見回すと、そこは自室と程遠い空間だった。     
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